第18回は、2022年6月4日(土)夜8時~ zoomで開催します(※毎月第1土曜日の20時からになります)。
今回のテーマは「第六天魔王──支配・被支配の関係」です。
講師は教学委員の波田地克利さんで、テーマは「第六天魔王──支配・被支配の関係」です
人間は、支配・被支配の関係に入ると、人間以上になるか、人間以下になるかしかないといいます。十界論でいえば、普段は人界の人も、例えば戦争といった殺すか殺されるか、支配・被支配の関係に入ると、六道の生命の者は、支配する側ならば天界に、支配される側は、抵抗する元気のある者なら、修羅界に。弱い者は、地獄・餓鬼・畜生の三悪道に堕ちるしかありません。
極まれに、人間以上の高み(四聖=仏、菩薩、縁覚、声聞)に昇る人もいます。
池田先生はローマクラブ会長のアウレリオ・ペッチェイ氏との対談で、この支配・被支配の問題に鋭い考察を加えています。
「私が問題にしたいのは、この支配者の求める喜びということです。これは、ここに述べたように、社会機構が形成されたことの副産物として生じたものであるはずですが、人間にとって、 一つの大きな魅力となっているのです。仏教では、おそらく仏教以前のバラモン思想から受け継いだものでしょうが、この支配欲の充足による喜びを、あらゆる欲望充足の喜びの頂にあるものとしています。すなわち、欲望充足の喜びを六種に立て分け、その頂に『他化自在天』と名づける、支配欲充足の喜びをおいているのです」
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池田先生は、支配・被支配の関係が生じる大本が「支配欲の充足による喜び」にあるとして、これを仏教では「第六天の魔王」=「他化自在天」と呼んでいるとおっしゃっています。
というこで、まず基本のおさらいし「第六天の魔王」=「他化自在天」について、原義にさかのぼって確認したいと思います。第六天の魔王は十界論で説く下から6番目の天界の一部ですから、十界論(六道、四悪趣、三悪道)のおさらいにもなります。
このペッチェイ対談の先生の論文「人間と人間」をベースに、加藤周一、魯迅、カウンセラーの信田さよ子さんらの著作などを補いながら、支配・被支配の関係を愛とか慈悲という麗しい関係に変えるにはどうすればいいかを考えて行きたいとおもいます。